修繕費はいくらまで経費にできる?金額の基準や判断方法を解説 

本記事では、修繕費を経費にできる金額の基準や、資本的支出との違い、仕訳方法について解説します。

不動産投資や賃貸経営では、建物や設備の修理などに伴い修繕費が発生します。

修繕費として処理できればその年の経費にできますが、工事内容によっては資本的支出として減価償却が必要なため、注意が必要です。

そこで今回は、修繕費はいくらまで経費にできるのか、金額や工事内容による判断基準を詳しく紹介します。

修繕費の処理方法や経費にできる範囲を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそも修繕費とは?

修繕費とは、事業用の建物や設備などについて、通常の維持管理や壊れた部分の原状回復を目的として支出する費用です。

修繕費に該当する代表的な支出は、壊れた部分を元の状態に戻すための修理や、通常の状態を維持するためのメンテナンスです。

たとえば、次のような費用が挙げられます。

修繕の例修繕費としての考え方理由・位置づけ
壊れた窓ガラスの交換原状回復破損部分を元の状態に戻すだけで資産価値は増えない
雨漏りの修理原状回復建物の機能維持のための最低限の修理
壁紙の張り替え原状回復・維持管理劣化部分の補修であり、通常の維持管理の範囲
壊れた給湯器の修理通常の修理故障箇所の修理であり、性能向上を伴わない
外壁の補修原状回復・維持管理劣化部分の補修であり、建物の維持が目的

一方で、単なる修理ではなく、以前より性能を高めたり、資産の使用可能期間を延長したりする工事は、資本的支出になる可能性があります。

資本的支出に該当する主なケース

  • 古い設備を高性能な設備に変更する
  • 建物に新たな設備を追加する
  • 用途変更のために大規模な改装を行う
  • 建物の耐久性を高める工事を行う

このような支出は、修繕費として一括で経費にするのではなく、原則として減価償却によって複数年にわたり経費化します。

参考:国税庁「No.2107 資本的支出を行った場合の減価償却」

修繕費はいくらまで経費にできる?金額基準を確認

修繕費がいくらまで経費にできるかは、金額だけで一律に決まるわけではありません。

税務上は、国税庁の通達に定められた金額の目安をもとに、修繕費か資本的支出かを判断します。

ここでは、よく使われる3つの金額基準を順番に解説します。

修繕費に一律の上限額はない

修繕費には、「年間100万円まで」「1件50万円まで」といった一律の上限額は法律で決まっていません。

たとえば、100万円の修理であっても、通常の維持管理や原状回復のための支出であれば、金額が大きくても経費にできます。

反対に、工事費が少額でも、性能向上や用途変更を目的としていれば、資本的支出に該当することがあります。

つまり、修繕費はいくらまでという上限を考えるより、まず修繕の内容を確認することが重要です。

20万円未満なら修繕費にできる

ひとつの修理・改良等にかかった金額が20万円未満であれば、その内容が資本的支出に見えるものであっても、修繕費として処理できます。

また、おおむね3年以内の周期で行われる修理であれば、金額にかかわらず修繕費にできるとされています。

ここで注意したいのは「20万円以下」ではなく、「20万円未満」である点です。

判断に迷ったときは、まず「ひとつの工事が20万円未満か」を確認してみましょう。

支出額形式基準による扱い判定ポイント
15万円修繕費として処理できる20万円未満のため修繕費扱いが可能
19万円修繕費として処理できる20万円未満のため修繕費扱いが可能
20万円「20万円未満」に該当しない形式基準の修繕費扱いは不可
30万円20万円未満の基準は使えない他の基準(60万円未満・取得価額10%など)で判定

60万円未満なら修繕費として処理できる

修繕費か資本的支出かが明確ではない場合、その支出額が60万円未満であれば、修繕費として処理できる基準があります。

たとえば、50万円の工事で修繕部分と資産価値を高める部分を明確に区分できない場合でも、一定の条件を満たせば修繕費として扱えます。

ただし、60万円未満という基準も、すべての工事に無条件で適用できるわけではありません。

あくまで修繕費か資本的支出かが明らかでない場合の形式基準です。

参考:国税庁「No.1379 修繕費とならないものの判定」

取得価額の10%以下なら修繕費として処理できる

修繕費か資本的支出か明確でない場合、その支出額が固定資産の取得価額のおおむね10%以下であれば、修繕費として処理できます。

たとえば、建物の取得価額が3,000万円で、修繕工事の金額が250万円だった場合を考えてみましょう。

  • 建物の取得価額:3,000万円
  • 取得価額の10%:300万円
  • 修繕工事費:250万円

この場合、工事内容の判定が明確でなければ、250万円は取得価額の10%以下となります。

そのため、修繕費として処理できます。

ただし、判定に使う取得価額は、帳簿上の未償却残高ではありません。

対象資産の取得価額を基準とする点には注意が必要です。

項目修繕費資本的支出
定義通常の維持管理・原状回復のための修理資産価値の向上・使用可能期間の延長
税務処理支出時に全額必要経費(損金)資産計上し、減価償却で費用化
主な例原状回復工事、3年以内の定期修繕避難階段の追加、用途変更の改造
形式基準20万円未満 または おおむね3年以内の周期形式基準を満たさず、価値を高めるもの
区分不明時の扱い60万円未満 または 前年末取得価額の10%以下上記基準を超える区分不明部分

国税庁は、20万円未満の支出について、修繕費として処理できる基準を示しています。

また、資本的支出かどうか明らかでない場合は、60万円未満または取得価額のおおむね10%以下であれば、修繕費として処理できます。

参考:国税庁「No.1379 修繕費とならないものの判定」

【規模別】修繕費の相場を紹介

修繕費の相場は、工事の種類や建物の規模、築年数によって大きく異なります。

少額の原状回復工事から、建物全体に関わる大規模修繕まで、必要な金額には幅があります。

ここでは、賃貸物件やマンションで発生しやすい修繕を、規模別にみていきましょう。

小規模な修繕の費用相場

小規模な修繕は、1か所あたり数万円から20万円前後で収まるものが中心です。

入居者の入れ替え時に行う原状回復工事や、設備の部分的な交換が該当します。

修繕内容費用相場の目安補足(位置づけ)
壁紙の一部張り替え数万円程度原状回復・軽微な修繕
床材の部分補修数万円〜10万円程度原状回復・維持管理
水栓・蛇口の交換1万円〜5万円程度消耗部品の交換
給湯器の交換10万円〜40万円程度設備更新(性能向上なしなら修繕費)
エアコンの交換8万円〜30万円程度設備更新(旧式→高性能は資本的支出の可能性)
ドアや建具の補修数万円〜20万円程度原状回復・軽微な補修

ただし、実際の費用は、設備の種類や工事範囲、部材価格によって変動します。

見積書では、材料費・施工費・撤去費・諸経費が分けて記載されているか確認しましょう。

中規模な修繕の費用相場

中規模な修繕は、複数の部屋や設備をまとめて修理する工事です。

外壁の一部補修、屋上防水の部分補修、複数戸の原状回復などが挙げられます。

工事内容費用相場の目安補足(一般的な工事規模)
キッチン50万~100万円交換・レイアウト変更を含む標準的なリフォーム
浴室100万~150万円ユニットバス交換が中心、設備更新を含む
洗面所20万~40万円洗面台交換+内装補修の軽〜中規模
外壁・屋根100万~150万円塗装・防水・軽微な補修を含む標準的な外装工事

このクラスになると、20万円未満の基準を超えてくるため、60万円未満や取得価額の10%以下といった基準、さらに工事内容の確認が重要です。

大規模な修繕の費用相場

大規模修繕は、外壁・屋上・共用部など、建物全体を対象に行う工事です。

マンションでは、外壁補修、防水工事、鉄部塗装、シーリング工事などが実施されます。

国土交通省の調査では、マンションの大規模修繕工事費は、1戸あたり100万円〜125万円の割合が最も高いとされています。

工事金額は建物の規模や築年数、工事範囲によって大きく異なるため、あくまで目安として利用しましょう。

建物全体の戸数1戸100万円の場合1戸125万円の場合総額の意味合い
10戸1,000万円1,250万円小規模アパートの全体改修レベル
20戸2,000万円2,500万円中規模物件の設備更新・外装改修規模
50戸5,000万円6,250万円大規模修繕に近い投資額
100戸1億円1億2,500万円大規模マンションの全体改修レベル

大規模な工事であっても、経年劣化した部分を通常の状態に戻すだけであれば、修繕費として処理できます。

ただし、耐震性能の向上や間取り変更、グレードアップなどが含まれる場合は、資本的支出に該当することがあるので注意が必要です。

参考:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

修繕費の相場を計算する方法

物件を所有・運用するにあたり、年間に修繕費がいくらまで発生するかを予測・計算しておく必要があります。

ここでは、不動産投資などでよく使われる修繕費相場の具体的な計算手法について解説します。

修繕費の計算方法を具体例で紹介

まずは、修繕費かどうかを判断する金額基準の計算例です。

取得価額5,000万円の建物で、外壁塗装に400万円かかったケースを考えてみましょう。

  • 20万円未満か → いいえ(400万円)
  • 60万円未満か → いいえ(400万円)
  • 取得価額の10%以下か → 5,000万円×10%=500万円。400万円は500万円以下のため、修繕費か資本的支出か判断が難しい場合、修繕費として処理できる可能性がある。

※明らかに価値を高める改良工事である場合は、金額に関わらず資本的支出となります。

次に、ひとつの工事に修繕と改良が混ざっているケースです。

たとえば、工事費300万円のうち、原状回復にあたる部分が200万円、グレードアップにあたる部分が100万円の場合です。

それぞれの内容に応じて、200万円を修繕費、100万円を資本的支出として分けて処理します。

ケース工事費判断
給湯器の交換15万円20万円未満のため修繕費として処理できる
外壁塗装(取得価額5,000万円)400万円取得価額の10%以下 → 区分不明時は修繕費として処理できる余地あり
修繕と改良を同時に実施300万円修繕費200万円+資本的支出100万円に区分

なお、資本的支出は原則として減価償却によって経費計上します。

償却額は、工事内容や適用する償却方法、耐用年数などによって異なります。

建物の階数によって修繕費は変わる

建物の階数や構造によって、修繕費は変わります。

高層マンションでは、高所作業や工事方法の違いなどにより、修繕費が高くなる場合があります。

建物の階数修繕費への影響費用が変動する理由
低層(1〜3階)足場費用が比較的安く、修繕費全体も低め地上作業中心で安全性が高く、足場設置も小規模
中層(4〜7階)足場や作業環境の制約が増え、修繕費がやや高め足場の規模拡大、運搬・設置コスト増、作業効率低下
高層(8階以上)高所作業費用が加算され、修繕費が大きく上がるゴンドラ・ロープアクセスなど特殊工法、安全対策費が増加

国土交通省の調査では、マンションの大規模修繕工事の戸あたり工事金額は「100万〜125万円」の割合が最も高い結果となっています。

ただし、実際の費用は建物の規模や工事内容などによって異なります。

修繕費はいくらまで経費にできるかを判断する際は、工事費用の相場だけでなく、工事の内容や税務上の取り扱いも確認しましょう。

参考:国土交通省「令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

修繕費はいくらまでかは修繕内容でも判断する

ここまで見てきたように、修繕費はいくらまでという金額だけで判断することはできません。

特に重要なのが、「元の状態に戻すための工事なのか」「以前より性能や価値を高める工事なのか」という違いです。

原状回復や維持管理なら修繕費

固定資産の「通常の維持管理」や「原状回復」のために支出した費用は、修繕費として支出した年に経費計上できます。

原状回復とは、壊れた箇所を元の状態に戻す工事や、劣化した部分を交換する工事のことです。

たとえば、次のような支出です。

  • 壊れた設備の修理
  • 雨漏りの修繕
  • 壁や床の補修
  • 劣化した部品の通常交換
  • 原状回復のための工事

これらは資産の価値を高めたり、耐用年数を延長したりするものではなく、通常の状態を維持・回復するための支出です。

そのため、支出した年に全額を経費として計上できます。

資産の価値や耐久性を高めると資本的支出

修繕を通じて固定資産の「使用可能期間を延長」させたり「価値を増加」させたりする支出は、資本的支出として資産計上しなければなりません。

資本的支出は、固定資産の取得価額に含めて減価償却を行い、複数年にわたって経費にしていくことになります。

資本的支出に該当する主な例は以下の通りです。

支出の内容判定理由(税務上の位置づけ)
建物の避難階段の取付け資本的支出建物に物理的に付け加えた部分で、価値・機能が向上するため
用途変更のための模様替え・改装資本的支出用途変更に伴う改造・改装に直接要した金額は価値向上と判断されるため
機械を高品質・高性能なものに取替え資本的支出通常の取替え費用を超える「性能向上分」が資本的支出として扱われるため

つまり、「直しただけ」の修繕であれば修繕費として経費にできますが、「性能アップ」や「耐用年数の延長」を伴う支出は資本的支出になります。

修繕費はいくらまで経費にできるかを判断する際は、金額基準だけでなく、支出の実質がどちらに該当するかを確認することが大切です。

修繕費は支出した年、資本的支出は減価償却で経費にする

修繕費と資本的支出のもっとも大きな違いは、経費にするタイミングです。

修繕費は支出した年に全額経費計上できますが、資本的支出は減価償却によって複数年にわたって経費に振り替えていきます。

処理方法経費計上のタイミング対象となる支出
修繕費支出した年に全額経費原状回復・維持管理の費用
資本的支出減価償却で複数年に分散機能向上・耐用年数延長の費用

たとえば、100万円の修繕費として処理できる支出であれば、その年の経費として100万円を計上できます。

一方、100万円が資本的支出として判断された場合は、建物の耐用年数に応じて分割して経費にしていくことになります。

修繕費はいくらまで経費にできるかを考えるときは、単にその年の節税効果だけでなく、長期的な経費計上のタイミングも意識しておきましょう。

修繕費の勘定科目と仕訳

修繕費用が発生した際には、適切な勘定科目を用いて日々の帳簿づけ(仕訳)を行う必要があります。

ここでは、個人事業主と法人での仕訳例や、間違いやすい「消耗品費」との違いを整理して解説します。

個人事業主が修繕費を仕訳する方法

個人事業主は、確定申告の際に「青色申告決算書」または「収支内訳書(白色申告)」の修繕費欄に金額を記載します。

これにより、修繕費を必要経費に計上できます。

修繕費の仕訳では、借方に「修繕費」、貸方に支払方法に応じて「現金」「普通預金」「未払金」などを記載するのが一般的です。

取引内容借方貸方
外壁塗装費用15万円を現金で支払った修繕費 150,000現金 150,000
設備修理費用8万円を銀行振込で支払った修繕費 80,000普通預金 80,000
クレジットカードで修繕費用30万円を支払った修繕費 300,000未払金 300,000

個人事業主の場合も、修繕費か資本的支出かの判定基準は法人と同じです。

修繕費として計上する前に、支出の内容が原状回復や維持管理に該当するかを確認しておきましょう。

法人が修繕費を仕訳する方法

法人の場合、修繕費は「販売費および一般管理費(販管費)」として処理します。

勘定科目は「修繕費」を使用し、借方に修繕費、貸方には支払方法に応じた科目を記載します。

取引内容借方貸方
建物修繕費用50万円を銀行振込で支払った修繕費 500,000普通預金 500,000
外注修繕費100万円を未払いにした修繕費 1,000,000未払金 1,000,000

法人の場合は、修繕費として処理できる金額基準(20万円未満、60万円未満、取得価額の10%以下)を満たしているかを確認した上で仕訳を行います。

修繕費か資本的支出かで処理が異なるため、判断に迷う場合は税理士に相談するとよいでしょう。

修繕費と消耗品費の違い

修繕費と消耗品費は混同されがちですが、明確な違いがあります。

修繕費は「固定資産の修理や現状維持にかかった費用」に対して使う勘定科目です。

一方、消耗品費は金額が少額で、使用期間が短い消耗品(文房具や事務用品など)の購入費用に使います。

比較項目修繕費消耗品費
対象固定資産の修理・現状維持少額の消耗品(文房具・備品など)
金額の目安数万円〜数百万円数千円〜十数万円程度
使用期間固定資産の耐用年数に準ずる短期間で使い切る

たとえば、建物の外壁塗装やエアコンの修理費用は修繕費に、コピー用紙やペンの購入費用は消耗品費に仕訳します。

修繕費を経費にする際は、対象が固定資産の修理・維持管理に該当するかを確認し、当てはまればそのまま処理しましょう。

参考:国税庁「No.5402 修繕費とならないものの判定」

修繕費でよくある間違いと税務調査への対策

修繕費は金額が大きくなりやすく、節税目的で意図的に一括計上されやすいため、税務調査でも特に細かくチェックされる項目です。

ここでは、実務でよくある間違いと、税務調査に向けた事前対策を解説します。

自己居住用と事業用の修繕費を混同しない

不動産経営者や個人事業主の中には、自己居住用の物件と事業用の物件の修繕費を混同してしまうケースがあります。

事業用物件にかかった修繕費は必要経費になりますが、自己居住用のものは個人的な支出となるため経費にはなりません。

たとえば、自宅と賃貸物件を同じ塗装業者に依頼した場合、自宅の塗装費用を修繕費に計上すると、税務調査で指摘される可能性があります。

事業用と自己居住用の修繕費は明確に区分し、事業用の支出のみを修繕費として計上することが大切です。

退去時の原状回復費用の負担者を確認する

賃貸物件の入居者が退去した際は、原状回復を誰が負担するのかを確認しておくことが重要です。

どちらの持ち出しになるかは、賃貸借や管理委託の契約内容によって異なります。

たとえば、貸主が負担した分は修繕費として処理できますが、入居者(借主)から回収した費用は収入として計上しなければなりません。

ここを曖昧にしていると、経費計上すべき金額を誤ってしまう原因になります。

税務調査では、こうした費用の負担区分を示す契約書や見積書をチェックされることがあるため、あらかじめ整理しておくと安心です。

税務調査で指摘されやすい修繕費に注意する

修繕費の処理は、税務調査で指摘されやすい項目の一つです。

国税庁は修繕費と資本的支出の判定について、支出の実質によって判断することを明確にしています。

つまり、「修繕費」「改良費」という名目ではなく、実際の支出内容で判定されます。

税務調査で指摘されやすい主なポイントと対策は以下の通りです。

指摘されやすいポイント対策
資本的支出を修繕費として処理している支出内容を精査し、資本的支出に該当するかを事前に判断する
事業用と自己居住用の修繕費を混同している事業用の支出のみを修繕費として計上し、用途区分を明確化する
原状回復費用の負担者が不明確契約書・見積書を整理し、負担者を明確にしておく
工事内容の説明資料が不足している見積書・契約書・工事内容の説明資料を必ず保管する

税務調査に備えるためには、これらの工事に関する資料を確実に保管しておくことが大切です。

修繕費として計上した支出について、工事の目的や内容を後から客観的に説明できるよう準備しておきましょう。

もし判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

修繕費はいくらまで経費?Q&Aでよくある疑問を解消

修繕費がいくらまで経費にできるかについては、実際に処理するときにさまざまな疑問が出てきます。

ここでは、特に多い質問をまとめました。

修繕費は年間いくらまで経費にできる?

年間の上限額は決まっていません。

必要な修繕であれば、年間でどれだけかかっても経費にできます。ただし、金額が大きい場合は、資本的支出と判断される部分が含まれていないかの確認が欠かせません。

60万円を超えたら必ず資本的支出になる?

必ずしもそうではありません。

60万円を超えていても、工事の内容が原状回復や維持管理にあたるなら修繕費になります。また、取得価額の10%以下という基準を満たせば、区別が難しい工事を修繕費にできる場合もあります。

20万円未満かどうかは工事全体か1箇所ごとか?

基本的には、一つの修理・改良などに要した金額を基準に判断します。

そのため、同じ修理や改良のために行った工事を、単純に細かく分けて「20万円未満」とすることはできません。工事の内容や目的、関連性を踏まえて、一つの修理・改良として判断する必要があります。

修繕費と消耗品費の違いは?

修繕費は、建物や設備などの修理・維持管理にかかる費用です。

一方、消耗品費は、文房具や事務用品など、事業で使用する消耗品の購入費などに使う勘定科目です。そのため、建物の壁を修理した費用は修繕費、事務用品を購入した費用は消耗品費というように、支出の内容によって区分します。

個人事業主でも同じ基準?

個人事業主も、法人とほぼ同じ基準です。

所得税基本通達に、20万円未満や60万円未満、取得価額の10%以下といった基準が定められています。不動産所得の賃貸物件でも、同じ考え方で判断します。

まとめ:修繕費はいくらまでかは金額と内容で判断しよう

修繕費を経費にする際のポイント

  • 修繕費に一律の上限額はなく、工事内容で判断する
  • 20万円未満、60万円未満、取得価額の10%以下などの基準がある
  • 価値や耐久性を高める工事は、資本的支出になる場合がある
  • 修繕費は当年に経費計上し、資本的支出は原則減価償却する
  • 仕訳では適切な勘定科目を使い、工事内容の資料を保管する

今回は、修繕費はいくらまで経費にできるのか、金額基準や資本的支出との違いなどについて解説しました。

修繕費には一律の上限額がなく、通常の維持管理や原状回復を目的とした支出であれば、金額が大きくても経費にできます。

一方、資産の価値を高めたり、使用可能期間を延長したりする工事は、資本的支出として減価償却が必要になります。

まずは工事の内容を確認し、金額基準も参考にしながら適切に区分しましょう。

判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

なお、詳しくは当社でも融資や会計に関するご相談を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。

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